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井上尚弥、規格外のデビュー戦記。

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本日10月2日は井上尚弥のプロデビューの日。7年前の2012年10月2日の後楽園ホール。

この先、彼の試合を後楽園ホールで見れる事はあるだろうか?公開スパーとかならあるかもしれない。

公式試合を2千人規模の箱で行うことは、もう想像できない。今や世界を席巻するスターになりつつあるモンスター。フィリピンのナショナル王者クリソン・マヤオとの8回戦で、信じられないパフォーマンスを見せたデビュー戦を振り返ります。

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プロテストで日本王者を圧倒

井上が高校生史上初のアマ7冠をひっさっげ
プロテストを受けたのは2012年7月10日。

プロテストなのに興行のセミの前、1300人の観客がいて相手はなんと当時の日本ライトフライ級王者・黒田雅之!黒田との3ラウンドのスパーリングの中で井上は何度もコーナーに追い詰め大物ぶりを証明した。

当時このプロテストを報道したメディアは
「もう少しでKOかと思わせる圧勝劇」と表現してたけど、3ラウンドじっくり映像を見るとその表現は違うと思った。井上は余裕があって、もっとラッシュ出来たはず。

テスト・スパーの目的は日本王者に恥をかかす事ではなく合格する事。だから目的を果たしただけ…それぐらい違いがある様に見える。

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おいおい黒田雅之は弱い日本王者じゃないぞ。

黒田はこの年の3月に田口良一(後に世界王者)と激戦の末ベルトを守り、翌年にはファン・カルロス・レべコとの世界戦が決まりそうな状態。モチベーションも高い時期で、且つ彼はスキルステータスの尖ったボクサーじゃない。正統派で総合力の高い世界ランカー。

その相手をここまで一方的に…
プロテストのスパーの時点でここまでインパクトを感じた事は他にない。

明暗が分かれるのがデビュー戦

実力派の選手でも、デビュー戦では必ずしも勝っているワケじゃない。世界王者で更にレジェンドとして名を残している選手も実はデビュー戦で黒星スタート…というケースは案外ある。

ラファエル・マルケスはデビュー戦でKO負けしているし、あのバーナード・ホプキンスもデビュー戦は負けている。もちろん村田諒太やデラホーヤの様に五輪で金メダル獲得からのプロデビューで華やかにKO勝利というケースも多い。

この大器、井上尚弥のデビュー戦にはどんな結末が待っているんだろう。誰を相手に選ぶんだろう。デビュー戦がこんなに待ち遠しい日本人ボクサーが現れてくれた。

それ自体が嬉しい。

異常な前評判の高さと理由

僕は業界人でも何でもないただの一般人ファンだけど、それでもデビュー前の井上の前評判の高さは耳に入った。この2012年10月は西岡vsドネアの水道橋パブリック観戦の幹事をしたり、ボクシングファンの集まりに参加したり色々な人達と会っていた時期。

まだ子供が生まれる前で、自分の時間もあったので誘われるままに色々な場所に顔を出していた。すると中には業界に近い人とも居て、話す機会が出てくる。この頃の一番アツい話題は目前に迫った西岡vsドネアでその次の話題が井上尚弥デビュー戦の事。

ちなみにこの頃はまだ「モンスター」という呼び方は定着していない。「怪物」「怪物くん」だった。

実際にデビュー戦のリングコールでも怪物と紹介されている。評判の高さといっても具体的にどういうスキルが凄いという話よりも、とにかく強いんだと。

「プロテスト前なのに、スパーで世界王者の八重樫を倒した」
「オファーしても逃げられて、デビュー戦の相手が決まらない」
「本当はもっと強いのとやりたいが、比国王者に決まった」

辰吉がデビュー前に六車との世界戦で来日したアサエル・モランのスパー相手をしたところ、まさかのモランをボッコボコにしたという凄すぎ伝説は今も忘れられないけど、同じ様な逸話を聞ける日が来るとは。

井上尚弥というのは…

どうやら久々の大物らしい。

初回でドネアステップ

デビュー戦の日。

井上尚弥の入場曲はABBAのFREEDOM。

途中で今のDepartureに変えてから、今ではすっかりDepartureが定着しているけどナルバエス戦ではFREEDOMともDepartureとも違う曲で入場したり実は色々な曲を使っている。この頃のFREEDOMも井上のフレッシュなイメージに合ってて良い!

そしてデビュー戦。

「攻防一体」のボクシングをデビュー戦で見せる選手を初めて見る。

初回、ボディへのワンツーで早々に最初のダウンを奪うと後は終始余裕の動き。

そして…出ました!ドネアステップ!!

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デビュー戦の初回でドネアステップですか。

パンチの見切り、ブロックとスウェーの使い分けとジャブからコンビネーションへの繋ぎ。

とても初戦に見えないパフォーマンス。
打つと避けるを同時に出来るボクサーは世界でも希有だと思う。ほとんどの選手はその瞬間瞬間でどちらかを選択して戦うけど、避けながら打つ選手が稀にいる。

その世界有数の希有なタイプだ。
デビュー戦でこれですか…

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4ラウンド、悶絶ボディでサクッと倒して、マヤオはもう立てない。

お見事。

衝撃度満載のお披露目儀式だった。

今の姿を想像できたか

この日から7年が経つ今、井上は衝撃KOの連発でWBSS決勝まで駒を進めて世界を圧巻している。ここまでの姿を想像できてたか?というとNO。

もちろん期待感はハンパなかったのだけど、日本人ボクサーがPFP2位なんて、もう何というか遥かなる別次元に到達している。

7年間というのは生まれた赤ちゃんが小学生になる年数だけど、井上はデビュー時点で並みの世界王者なら倒すレベルだった。そんな彼の活躍ぶりをリアルタイムで見れる今のボクシングファンは超絶ラッキーだと思う。

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見た目もかなりあか抜けて、眩しいの一言。

この先、一体どこまで高い景色を見せてくれるのか。生涯を捧げるスポーツとして、ボクシングを選んでくれてありがとう。

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