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Tokky
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ファン歴30年のボクシングファン。当メディア運営者のTokkyです。選手のセカンドキャリア、各界のファン達を始め人にフォーカスした独自の切り口での取材記事を発信しております!

パンチを予見する男、福田直樹。生涯のボクシング愛

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皆様こんにちは。愛すべきファン達#5はこのお方。パンチがヒットする決定的瞬間を捉えた写真を世界で高く評価される『パンチを予見する男』ボクシングカメラマンの福田直樹さんです。写真で何度も賞を受賞する福田さんですが、カメラマンである前に一人の熱きボクシングマニアなのです。そんな福田さんのボクシング観戦歴とボクシング愛を、じっくりと深掘らせていただきました。その一部始終をどうぞ。

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ボクシングと親友との出会い

では福田さんのボクシングとの出会いからお聞かせください。いつ頃から観られてますか。

「小学2年生の頃からです。世界タイトルマッチの中継をお茶の間のテレビで観る時代でしたので、中継が始まる19時半までに3世帯の家族全員が食事を終えて皆でボクシングに集中していました。とても過酷なスポーツなのに、それをやってるボクサー達は凄くてカッコ良いと子供ながらに思っていた記憶があります」

その時代。日本人の世界チャンピオンも居て、世界戦がいつも国民的な注目イベントだった頃ですね。

「ガッツ石松さん、輪島功一さん、柴田国明さんが世界チャンピオンでした。小学6年生の時に観たウィルフレド・ゴメスvsロイヤル小林さんの試合を観て、華麗なフットワークで下がりながら小林さんに手を出させて、誘い込んだ左フックで倒してしまうゴメスの強さには衝撃を受けましたね。その頃から日本人選手の応援だけでなく、外国人選手のボクシングにも注目してました。1970年代。ラテン系が盛り上がった時代です」

親友の香川照之さんとの出会いもその頃でしょうか。同級生の福田さんと一緒に、学生時代からボクシングに夢中だったエピソードを香川さんもメディアで話されてますね。

「香川とは中学1年生の時に同じクラスになり、隣の席だったので仲良くなりました。私がボクシングの話ばかりするものだから香川も興味を持ちだして、学校の先生をボクサーに例えて遊んでました。ネチネチ怒る先生は手数が出るボクサー、ドカンと急に怒る先生は一発があるボクサーに例えたりして(笑)」

中央左が香川照之さん、中央右が福田直樹さん

「当時の情報源はテレビと新聞と専門誌だけですので、ボクシングマガジンの発売日は2人で書店に行って2時間立ち読みです。その後で買うんですよ。でもすぐ読みたいから立ち読みするんです。2人で読み進めるペース配分を合わせながら1ページずつ捲るのが楽しい時間でした。新聞は海外の試合を全て報じてくれるわけではないので、書店で初めてデュランがクエバスを倒したのか!と知った時はつい大声が出てしまいました」

夢中で専門誌を読み漁る光景が、目に浮かびます。

「ビデオが手に入らない頃は、2人で写真を頼りにイメトレです。グローブの握り方でパンチの打ち方を想像したり、倒れた姿から倒れ方を想像したり…今思えばそれが写真家へのきっかけだったのかもしれません。ビデオが入手出来る様になってからは夢中で観まくりました。初見でKOパンチが当たる瞬間を一時停止で止めるゲームをしたり、KOが起きる直前の足の位置やアングルを確認してアレコレと語り合うんです。ファン・キット・メサがハイメ・ガルサを倒したシーンは100回以上は見ましたね。当時に我々にとってはどんな裏ビデオより価値のある宝物です(笑)」

凄い熱中ぶり!ちなみにボクシング以外に観ていたものはありましたでしょうか。

「ボクシングの試合がない時はプロレスをたまに観てました。僕は全日派でビル・ロビンソンの試合が好きで。ボクシングとは別のものとして、野球やサッカーを観る時と同じ感覚でしたね。ボクシングか、ボクシング以外かでした。一番情熱を注いで観ていたのがボクシングです」

親友とのボクシング合宿

香川さんとのボクシングエピソードを沢山お持ちかと思います。特に思い出に残ってる事を教えてください。

「香川が買ったリングジャパンのビデオを泊まり込みで一緒に観てました。それまで写真でしか観たことがなかった試合を映像で観られるのが楽し過ぎて、語り合いだしたら止まらないんです。先に動画を観る事が出来て、写真は後からになる今とは真逆でしたね」

確かに今とは真逆ですね。初見は写真で、後から映像で観てインパクトが強かったKOシーンをお聞きしたいです。

「アレクシス・アルゲリョに倒されたディエゴ・アルカラです。アルカラが白目をむいて倒れてる写真が印象的で、一体どんなKOだろうと思ったら映像もとんでもなくて背筋が凍りました。それとプルデンシオ・カルドナに倒されたアントニオ・アベラルもです。頭から突っ込んで倒されてる写真から壮絶なKOを想像してましたが、その想像を超える戦慄的なKOでした。上原康恒さんがアメリカで世界タイトルを獲得したサムエル・セラノ戦も、セラノが倒れてる姿の写真しかなかったので後から映像で観ましたが、敵地に乗り込んでの素晴らしい倒しっぷりでした」

ビデオはリングジャパンで買うのが主な入手ルートだったのでしょうか。

「芸能界デビューした香川がメディアのインタビューで、今一番欲しい物は何という質問にボクシングのビデオと答えてから、アメリカ在住の親切な方が香川の元にビデオを送ってくれる様になったんです。そこから更にビデオ合宿の頻度が上がって、メキシコとプエルトリコの選手をよく観てました。滑らかなリズムの中にちょっと癖があるボクサーが多いプエルトリコと、左ボディのアングルに特徴があるメキシコ。国ごとのボクシングの特徴を分析する事にハマってました」

ホープに目を付けて、出世するかどうかの予想話も盛り上がってそうですね。

「ホープに目を付けるのも好きで、特にバルガス兄弟が好きでしたね。アンヘル・バルガスとウィルフレド・バルガスの2人です。香川も私も彼らのボクシングが大好きで、勝っても負けても楽しみに試合を観てました。世界挑戦までは辿り着いたと思います。それとフェルナンド・バルガスに似たパンチの打ち方が印象的だったフランシスコ・パンチト・ボハド。出世すると思ったのに伸び悩みました。逆に目を付けていなかった選手が活躍する事もあるから予想が難しく、そこが面白さでもあります」

香川さんと福田さんでボクシングを観る時の視点の違いや、採点の傾向に違いなどはありましたか?

「それがほとんどないんです。昔からそうですし今もです。香川が良いと思う選手は私も良いと思いますし、ボクシングに限らず他の事でもそうなんです。香川は今、レベルの高い演技の世界にいるので、食事にしてもインテリアにしても香川が出す合格点の基準はとても高い。そんな彼と長く深い交流があるおかげで、私も何かを観る時の視点や価値観がアップデートされてる様に感じます」

親友との観戦旅行秘話

香川さんとのビデオ漁りの次のステップとして、お二人で生観戦を沢山されていたと思います。振り返って思い出深い試合を教えてください。

初の生観戦は中島成雄vsイラリオ・サパタ

1980.3.24当時の福田直樹さんのチケット

「この試合を蔵前国技館の升席で観たのが初めての生観戦でした。リングの大きさは想像してた通りでしたが、パンチの音の迫力に感動したのを覚えています。選手の表情の変化も分かりますし、ジャブひとつでもこんな深いヒットポイントまでかすめるのか!と驚きの連続。一桝の4人席に香川と私と少し怖めのお兄さんというパターンが多かったのですが、試合が始まると興奮して周りが怖い人なのも忘れて見入ってました」

ボディ!と叫んだルぺ・ピントールvs村田英次郎

1980.6.11 当時の福田直樹さんのチケット

「リング前2列目の席で観ていて、香川が《村田、ボディ!》と叫んだら、村田さんがすかさずボディを打ったのを覚えてます。香川は今このパンチを打つべきというコンビネーションの理屈を本当によく分かっていましたから」

山梨に行ったイラリオ・サパタvs穂積秀一

 1986.4.7当時の福田直樹さんのチケット

「当時の世界戦のリングサイドのチケットって、金色のすごく立派なチケットだったんです。それを香川が毎日学校に持ってきて、昼休みに食堂で2人で眺めるんです。あと何日だよなあ・・なんてため息をつきながら話したりして。あれは幸せな時間でした」

ボクシングマニアがアメリカに初上陸!

 1989.6.12撮影。シーザースパレスでのマニア達。

「アメリカでの初観戦はレナード対ハーンズⅡです。結果はドローでしたが、ハーンズが勝ったと思いました。アンダーにはマイケル・カルバハルやレイ・マーサーが出てたのが懐かしいです。それと当時は日本では中継が無いけどハワイだと中継があるパターンの試合があったので、中継を観る為にハワイに行く事もありました。到着するとビーチに行くわけでもなく、一目散にテレビガイドを見てボクシング中継をチェック。あったぞ!と一安心したものです」

専門誌。ビデオ。国内観戦。海外観戦。ここまで来ると次は自分でボクシングをやってみたいと思う様になりませんでしたか?

「実は高校生の頃、協栄ジムに入会してプロボクサーを目指した時期があったんです。丸尾忠さん、大鵬健文さんがいた頃でした。ヘルマン・トーレスとスパーリングしたりして自分なりに頑張りましたが、すぐ鼻血が出るし、本気で続ける根性も座っておらず、親にも言えなかったので大学生になったら自然とフェードアウトしていきました」

当時の福田直樹さんの協栄ジム会員証

福田さんがプロを目指して協栄ジムで練習してたなんて初耳です!パンチを予見したかの様な写真が撮れるのは、ご自身でボクシング経験がある事も影響してそうですね。

「いえ。そんなレベルには至っておりません。スパーやアマの試合で効かされた事があったので《効く》という感覚が何となくは想像できるぐらいです」

感情を揺さぶられた日

これまで数多くの試合を観戦されて来た中で、福田さんが激しく感情を揺さぶられた日の記憶を辿って教えてください。

最もリピート再生する伝説KOと出会った日 

「1984年6月15日のトーマス・ハーンズvsロベルト・デュランは最もリピート再生して観返した回数が多い試合です。KOシーンの衝撃度に加えて、あの角度で写真を撮りたい!という角度で映像が流れた事も理由です。フィニッシュの右を自分で撮影したかったという思いがあります。あんな派手な倒れ方をした後でまだ戦えたというデュランの強気なコメントも好きですし、豪快に右を振り切ったハーンズも本当にカッコ良かったです」

メキシコのレジェンドに惚れた日

「1987年11月21日のフリオ・セサール・チャベスvsエドウィン・ロサリオは両選手のスタイルが好きだったので興奮して観てました。常に頭を動かしながらプレスをかけてバランスが良くて、コンビネーションからのボディ打ちが得意なメキシカンの王道スタイルで戦うチャベスと、肘が上がってて、カニ歩きしながら絶妙なタイミングでカウンターを狙うクセの強いスタイルのロサリオ。3回の最初にチャベスが当てた地味なカウンター!あのパンチのタイミングが大好きで何度も観ました。あれでロサリオが下がって試合の流れが決まりましたね。いまだに好きなパンチです。当時のHBOは番組作りもカッコ良くて、この注目マッチをよく盛り上げてくれてました」

自分のボクシングを貫く男を観た日

 1984.2.14 当時の福田直樹さんのチケット

「パンチャーの竹下さんに対して、大鵬さんが自分のアウトボクシングを貫いた姿が素晴らしかったです。打ち合いに巻き込まれそうでも、巻き込まれず試合を続けるハートの強さに引き込まれました」

両国国技館で座布団を投げた日

 1986.7.24 当時の福田直樹さんのチケット

「興奮度で言えばこの日がナンバーワンです。浜田さんが世界王者になった瞬間、香川と一緒に座布団を投げました。映像では沢山の座布団が雪の様に舞ってますが、あの中に私達が投げたものも含まれてます。柳ジョージさんがナレーターを担当した直前のドキュメント番組も完成度が高くて、期待に胸を膨らませて…それであの結果ですから。アルレドントが倒れて、これはもう立てない。勝った!と思った瞬間の興奮と言ったらなかったですよ。浜田さんは凄い。ボクサーは凄い。ボクシングって凄いなと」

記者席で立ち上がって叫んだ日

2001.11.3 の福田直樹さんの入場カード

「最も大声で叫んだ試合がコンスタンチン・チューvsザブ・ジュダーです。この時はカメラマンではなく、ライターとして現地にいました。私はチューが好きだったのですが、周りの記者はジュダーのスピードについていけずチューが負けると言うのです。公開練習の時のジュダーに落ち着きが感じられず、自信なさげに見えたのと、自分の思いを信じてチューに賭けたんです。それで2回TKO勝ちで勝ったので記者席で立ち上がって叫びました」

ストップに納得がいかないジュダーに拳を突きつけられた時の、レフェリーのジェイ・ネイディー氏の困り顔も印象的でした。

間近で撮影した伝説ファイト

ここまではボクシングファンとしての福田さんの思い出話でしたが、ここからはカメラマンとして撮影した試合について触れていきます。パンチ力やスピードに特に驚かされた選手について教えてください。

「パンチ力を感じたのはセルゲイ・コバレフ、デオンテイ・ワイルダー、エドウィン・バレロです。岩がぶつかっている様なインパクトでした。ハンドスピードが速かったのはアミール・カーン、ゲイリー・ラッセルです。判断力のスピードが速いと感じたのはフロイド・メイウエザーですね」

写真を撮影しながら、ボクシングファンとしての心を揺さぶられて記憶に深く残った試合をお聞きしたいです。

コラレスの奇跡的な逆転KO

 2005.5.7 福田直樹さん撮影

「ディエゴ・コラレスvsホセ・ルイス・カスティージョです。撮影しながらカメラを持つ手が震えるくらい興奮した試合でした。倒されたコラレスのダメージが深くて、止められそうな場面からまさかの大逆転KO勝ち。こんなあり得ない逆転が起きるのかと感動で涙が出てしまったのです。コラレスがこの試合からちょうど2年後の同じ日に交通事故で亡くなってしまった事も切ないです。事故があった場所に行ってみたら、ファン達が沢山の花を添えてました」

ベストの1枚を選ぶならブローナー

2012.11.17 福田直樹さん撮影

「私が撮影した中で、全てがハマった傑作はエイドリアン・ブローナーがアントニオ・デマルコを倒した時のフィニッシュ・ブローの写真です。KOパンチのインパクトの瞬間を捉える事は難しいですし、加えて左のロングアッパーというパンチはフィニッシュブローにはなりにくいパンチなのに、それを撮影する事が出来た希少な一枚だからです。私の本の表紙にもなっていて《なぜヒールキャラのブローナーを表紙に?》と聞かれるのですが、全てがハマった完璧な一枚だからと答えてます。試合会場のアトランティックシティは私が30回以上リングサイドのカメラポジションに入れさせて貰えず悔しい思いをした場所で、入れるようになったタイミングでもあり思い出深い1枚なのです」

スーパーマン・ロイが倒れた瞬間  

2004.5.15 福田直樹さん撮影

「撮影した試合の中で最大の番狂わせはロイ・ジョーンズvsアントニオ・ターバーの2戦目です。無敵を誇ったロイが吹っ飛んで倒れるシーンが訪れるなんて想像もしていなかったので。初戦で精彩を欠いたロイがこの日はしっかり決めるかと思いきや、まさかの結末。シャッターを押しながら《こんな事が起きるのか》と鳥肌が立ちました。驚きと歓声が混じって騒然とした会場の雰囲気も忘れられません」

ブローナーの写真がベストショットとは意外な事実が聞けて嬉しいです。それと、僕が一人のファンの目線で拝見した写真で、どうしても撮影時の心境を聞きたかった3試合があります。

凄惨に飛び散るロサドの鮮血 

 2013.1.19 福田直樹さん撮影

ゲンナジー・ゴロフキンvsガブリエル・ロサドの試合で、血まみれのロサドにゴロフキンの右がガチンと入ってる写真。専門誌で観て凄い衝撃を受けました。リングサイドの福田さんにも血が飛んで来たんじゃないですか?

「この時は大変でした!もの凄い量の血が飛んできて、試合が終わった時は私も血だらけになりましたよ。会場からホテルに帰るまでの間に、服が血だらけなので周りの目が気になって(苦笑)ゴロフキンを撮影したのはあの時が初めてで、鉄拳みたいなパチンをガチンガチンと的確に当てる精度が高いと思いました」

KOパンチを試すマルティネス 

2010.11.20 福田直樹さん撮影

セルヒオ・マルティネスvsポール・ウィリアムスの第2戦。2回TKOで凄いワンパンチKOでしたが、これはそのKOパンチの瞬間でしょうか?

「いえ。KOパンチの前のパンチです。あの左フックが入る前に、マルティネスは近いタイミングで2回このパンチを試してるんです。最後は少しタイミングをずらして当てたんですけど、その前のパンチなんですよね」

直感的にモンスターの動きを予測

2023.7.25 福田直樹さん撮影

観た瞬間に思わず唸ってしまったのが井上尚弥vsスティーブン・フルトン。モンスターの右ストレートでフルトンが腰を落とした後、追い打ちの左フックの瞬間を捉えた写真です。どうしてこんな完璧な一枚が撮れたのでしょうか。

「それまで井上選手は左ボディ・ジャブを単発で当ててたんです。この時、フルトンは単発のボディ・ジャブが来て後続打は来ないと思ったはずですが、この左ボディ・ジャブを打つ時は井上選手がグッと踏み込んだので、これは何かあるかもしれない!と直感的に感じてシャッターボタンを連写したんです」

…凄いとしか言えません。撮影時の事をいつかご本人に聞きたいと思ってた3枚だったので、最高の答え合わせが出来ました。

映画、ドラマ、YouTubeについて

ボクシングを題材にした映画やドラマ、YouTubeチャンネルで好きな作品についてお聞きしたいです。

王道のボクシング映画が好き

「ボクシング映画は王道ですが《ロッキー》シリーズの1、2、4が特に好きで、クリチコ兄弟が出て来た時はリアルドラゴだと思いました。《ロッキー・ザ・ファイナル》でのシルベスター・スタローンがマンダレベイのリングに入場するシーンは本当に興行の途中で撮影をしてたんですが、そこに居合わせられたのも良い思い出です。《春に散る》は、ボクシング関係者やボクサーが沢山出ていて、見つける楽しみがありましたね。《人はなぜラブレターを書くのか》では私が撮影した写真を提供させていただきました。ボクシングを題材にした邦画は定期的に公開されてますが、どれも素晴らしい内容なので楽しんで観ております」

ドラマの題材にもなるボクシング

「ドラマ《あのクズを殴ってやりたいんだ》ではボクシングカメラマンとして監修、登場人物のモデルで関わらせていただき、写真展のシーンで私の写真を使っていただきました。ボクシングを題材にしたラブコメディドラマで、放送時は毎週楽しみに観ておりました」

A-SIGN.BOXING.COMの素晴らしさ

「YouTubeチャンネルはA-SIGN.BOXING.COMをよく観ます。石井会長の考察やコメントがとても好きで、1人のファンになってます。伊藤雅雪さんのTreasure Boxing Promotionも観ます。伊藤雅雪さんが現場に居て感じた事を話しているから面白いですね。最近は私自身も動画でだけ観た試合を語るより、実際に生で観た試合をより深く知りたいという思考になりました。そうじゃないとマニア心をくすぐられないんです」

A-SIGN.BOXING.COMの石井会長の良さ、とても共感します!ひとつだけ欠点があるとしたら、試合の感想動画のアップが少し遅い事。それ以外はパーフェクトなボクシングYouTubeだと思います。

大切にしてるお宝グッズ

福田さんはボクシンググッズを集めるのもお好きだと伺いました。 お宝コレクションを是非、見せてください!

「グッズは昔から好きで全部大切にしています。アメリカのビックマッチはメディアに沢山のグッズをくれるんですよ。マイク・タイソンvsレノックス・ルイスの時のグッズセットはとても豪華でした。コレクションの一部を共有いたします」

マイク・タイソンvsレノックス・ルイスの巨大なグッズバック
デラ・ホーヤvsフロイド・メイウェザーのバッグとパンフレット
デラ・ホーヤvsフロイド・メイウェザーのカウントダウン時計
デラ・ホーヤvsフロイド・メイウェザーのビール
デラ・ホーヤvsリカルド・マヨルガのヘルメット
デラ・ホーヤvsフェルナンド・バルガスの人形
シェーン・モズリーvsフェルナンド・バルガスのタグ
シェーン・モズリーの時計
ナイキのエアジョーダン、ロイ・ジョーンズモデル

どれも《レア度》がハンパ無い。どのグッズも新品かと思えるくらいに綺麗に大切に保管されているところにも福田さんのボクシング愛を感じます。

ボクシングの魅力とは?

最後に福田さんが思うボクシングというスポーツの魅力について教えてください。

繊細さ。それと隣り合わせの儚さ

「ボクシングの繊細さが好きです。心も体も鋼鉄並みじゃないと出来ない、過酷で命懸けの競技の中にある繊細さ。ちょっとしたほころびで大崩れしてしまうものを、大事に大事に試合に向けて作って行って、試合中もパンチを打つタイミングの駆け引きから、足をどの位置に出すかまで本当に繊細なものを繋げていくのがボクシング。私も香川もその繊細さが好きでずっと観ています。どれだけ自分のボクシングを積み上げても、そこから少しでも狂うと儚い負け方をしてしまったりする。プエルトリカンの負け方は特に儚いです。そこも含めて惹きつけられます」

全てのリングが頂点へ繋がっているロマン

「後楽園ホールで試合をしている四回戦の選手も、ラスベガスでビックマッチを戦う選手も、リングという場所で全て繋がっているところが好きです。現実的なチャンスの獲得率を数値化すると凄く低いパーセンテージかもしれませんが、確実に道が繋がってるんです。世界中に色々なタイプの選手がいて、世界中のリングが頂点への道に繋がっているグローバルなスポーツである事。そこもロマンがあって素晴らしいです」

勝者と敗者の鮮烈なコントラスト

「勝者がガッツポーズしながら、ジャンプして観客も盛り上がる一方で敗者は倒れて立てなくなっている。その一瞬のコントラストにグッと来るんです。メイウェザーみたいにスーパーカーを何台も持つ億万長者と、アルバイトしながら頂点を目指す初期のロッキーの様な選手の対比もあって、その面白さも魅力です」

深い。それでいてどれも共感しかありません。僕も今、ボクシングの魅力に改めて気付けた様な感覚になっております。

「これらの事が全て合わさって、他では味わえないボクシングの魅力が創り上げられている様に感じてます。ボクシングは最高ですね」

取材を終えて

なんと美しいボクシング愛でしょうか。福田さんはボクシングカメラマンである前に一人の熱きボクシングマニアなのです。冒頭でそう伝えましたが、表現の仕方を訂正します。熱きボクシングカメラマン。そして生涯現役のボクシングマニア。それが世界の福田直樹さんです。

香川照之さんと一緒に写真を見てイメトレしていた少年時代。KO寸前の足の位置の研究。KOパンチが起きる一瞬を察する超人的感覚は長いボクシングマニア・ライフを経て磨かれていったものなのだと、合点しました。

「ボクシングの繊細さが好きです。どれだけ自分のボクシングを積み上げても、そこから少しでも狂うと儚い負け方をしてしまったりする。そこにも惹かれます」

この言葉は福田さんの写真哲学とも繋がっています。一瞬で崩れる美しさ。その一瞬を撮っている人なのだと腑に落ちました。繊細さを愛してるからこそ、繊細な一瞬を思う事が出来て、繊細なパンチを予見する事が出来るのだと思います。

この記事を読んでくれた読者の皆様は、これからは福田さんの写真を観る度に《繊細さ》というワードが浮かぶ様になるかもしれません。福田さん、素晴らしい気付きをありがとうございました!

以上、愛すべきファン達#「パンチを予見する男、福田直樹。生涯のボクシング愛」でした。

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