番組感想記

井上尚弥・藤原竜也のスペシャル対談をボクヲタ目線で振り返る

今年の4月にWOWOWで放送された企画。
井上尚弥 vs 藤原竜也のスペシャル対談!

 

 

ボクサーと俳優。それぞれの分野でトップを走り続ける2人のスター同士の眩しい対談は30分という短い放送時間ながら、お互いのリスペクトやプロ意識が垣間見えるヒジョ~に有意義な内容でした。4月の放送当時に一度見ているのですが、先日久々に見返してみたところ新たな発見がいくつもあり、2人の会話がとても味わい深いです。

 

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これを知らない人がいるのは勿体ない。是非とも共有したい!という事で対談の要約&感想を添える構成で、ボクヲタ目線で振り返ります。

 

最初の共通話題は香川照之さん

モンスターとの初対面。

ソワついた様子の藤原竜也氏。 

「いつもテレビ画面越しに、一方的に井上選手を応援させてもらってる立場なので・・ちょっともう直視できないです!」

 

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「僕も一方的に藤原さんを見てます!デスノートだったりカイジだったり・・好きで観てた映画でしたので、今日お会いできて本当にうれしく思っています」

 

「ボクサーが抱える使命感や人生観、男同志のぶつかり合いが大好きで小さい時からボクシングを観ています。井上さんの先輩にあたる辰吉さん、山中さん、穂積さん達の試合をずっと観て来てます。初めて井上さんの事を知ったのは、香川照之さんが教えてくれた時です。もの凄いモンスターがいるぞって」

 

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「香川照之さんは凄いですよね。他のゲスト解説者の方々とは熱が違う。一緒に試合の解説をやる事もあるんですけど、マニアック過ぎてついていけない時があります笑 自分の試合の話をされても、それはどの試合のどのシーンだっけ?って分からないぐらいです」

 

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「ホントに凄いマニアですよね!香川さん」

「凄すぎですね^^」

感想

このスーパースター2人が対談して最初に共通の話題になる香川照之さんって凄いですね。僕は香川さんファンなので、この2人が香川さんの事を肯定的に話している事が嬉しいです。ちなみに最近、村田諒太氏もYOUTUBE動画の中で「香川さんは最高にマニアックで且つボクサーへのリスペクトがあるから素晴らしい。ティトの好きな左フックは?についてきっと一晩中語り合える」と絶賛されています。さすが大和田常務!

 

あと藤原さんの「辰吉さん、山中さん、穂積さん」と長谷川穂積氏だけ下の名前で呼んでるのがツボです。そういえば何かのドキュメントで長谷川穂積&藤原竜也の企画番組があったのを思い出しました。映像を探そっと。

この職業との出会い

 「父親の影響でボクシングを始めました。父親がアマチュアの試合に出ているのを見てて、自分も強くなりたいという思いもありトレーニングを始めたんです。本格的にやり始めたのは小学校1年生ぐらいですね」

 

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「小学1年からですか。やはり早くにトレーニングを始めていたのですね」「そうですね。厳しかったです。始めた頃のことを今でも覚えています」

 

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「鏡の前でステップの練習とジャブとワンツーの繰り返し。泣きながらやってた記憶も残ってます」

 

「その頃にお父さんはもう”トレーナー”でしたか?父親としての一面もあるんじゃないかと思いますが」「トレーナーとしての真吾さんと、父親としての真吾さんが両方混ざりながらっていう感じだったと思います」

 

「僕は14歳からこの世界に入りました。蜷川幸雄さんの元で、14歳から演劇の世界です」

 

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「毎日、まだわからない厳しい世界で泣かされて・・演劇の現場っていうのは俳優を育てる場所でもあるので、テレビドラマや映画にはない厳しさがあります」

 

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感想

ここでの受け答えもそうですしモンスターの全ての発言の中で、小さい頃からボクシングを「やらされた」という言葉は全く出て来ません。真吾さんがやっていたのを見て、自分も強くなりたかったから始めたとの事ですが、それでも途中でやめるのがフツーなんじゃないかと思います。信念を持って続けている事が凄い。

 

小・中・高と思春期の多感な時期にボクシングをやめずに続けてこれた理由にも突っ込んで欲しかったですね。藤原さんからモンスターへの「トレーニングを開始した頃の真吾さんの印象・記憶は”トレーナー”と”父親”どちらなのか」という質問は意外と今まで誰もしてない質問なので貴重です。

ボクシングと俳優業は似てる

 「井上さん。僕ね、昔からボクシングの現場と演劇の現場って似てるなって思ってるんです。数ヵ月間の厳しい稽古をして、舞台初日を迎えれば演出家がセコンドに立つわけです。リングの上に立つのは俳優」

 

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「もし何かあったら演出家がフォローするけど、タオルを投げるかもしれないけど・・本番が始まったらもう、基本全てはおまえの世界だぜ!っていう。稽古場で出来てないことは本番では出来ないですし。そういう境遇は井上さんが戦っているボクシングの世界と似てるなって」

 

「確かにそうですね。当日やるのは自分しかいない厳しい世界です。そこは一緒だなと思います」

 

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感想

ボクサーと俳優業の似てる部分に共感したのですが、誰が言うかですよね。俳優と言ってもピンキリと言ったら言葉が悪いでしょうか。これだけ多くの人々を長きに渡って魅了し続け結果を出している藤原竜也の口から語る”俳優業”だからしっくり来ます。

 

話を聞く時のモンスターの超真剣な眼差しが印象的です。この2人・・活躍する世界は違うけど「ストイックそう」というキーワードは共通で当てはまる様に思いました。

2人の「本番の前の心境」

「ボクシングと演劇の違いは”本番”の期間ですよね。僕ら演劇の舞台は1ヵ月、2ヵ月の間に中日があって千秋楽があって”本番”というものを長いスパンでやっていきますけど、井上さんはその日のその試合!当日勝負じゃないですか。試合当日の朝ってどんな心境なんですか。落ち着いていられるものなんですか?」

 

「当日の朝は落ち着いてますね。前日の夜なんかは、遠足の前日の様な気持ち。楽しみで寝られない様な感覚です」

 

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「もちろん、やるべき準備をしっかりしたからこそ、そう思えるんですけどね」

 

「なるほど・・リングに上がる直前はどんな心境ですか?」

 

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「上がる直前はすごく緊張してます。ただその緊張感って、逃げ出したいとかそういうものではなくて。はやく戦いたい!行けるぞ!という緊張感です」

 

 「リングに上がってからゴングが鳴るまでの間って、何か考えてるんですか?」

 

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「あっという間なんです。1ラウンド目が始まる前、両者リング中央に歩み寄るじゃないですか。その時はうわ~もう始まる!夢の中にいる様な感覚です」 

感想 

モンスターは「試合前日は遠足の前日の気分」そう答えてますが、一方でTwitter上でこんな噂も耳にしました。パヤノ戦の前日の夜に「明日の試合だるいなぁ」と呟いて5秒後に削除したという噂です。僕は自分の目では見てないので事実かどうかは分かりませんが何人かのファンが目撃しており、そのファン達の普段のツイート内容はモンスターを応援する熱い思いに溢れたツイートなので、彼らがわざわざ嘘の噂を発する理由は思いつきません。なので、あるいは事実だったのかもしれません。

 

もし事実だとしても、そんな井上尚弥も好きです!肝心の試合本番では曲者パヤノを70秒でKOしてますし^^WBSS初戦で日本中の期待を背負う中、一般ファンがその精神状態を想像することに意味はなく、ただ応援すれば良いと思うのです。モンスターが好きで彼の言動に強い関心があるからこそ「そんなツイート」をもし自分が目にしたら、逆に人間味があって肯定的な思いを持ちますね。更に応援したくなります。

 

 

 

試合と舞台「本番中」の心境

「僕はお芝居をしていて客観的に俯瞰的に自分を見つめる瞬間があって、俳優業だと大事な事なんですけど、井上さんは試合中に冷静に自分を俯瞰する様な分析ってありますか?」

 

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 「覚えてないぐらい集中してるんです。それぐらい目の前の相手と戦う事に必死。インターバル中にセコンドと話してる事も、その時はしっかり会話してるのに、試合が終わってから振り返っても覚えてないんです」

 

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感想

あれ?意外でした。ドネア戦の後のニュース番組でも試合中に目を隠しながらとかポイントアウトの戦法を選んだとか冷静に記憶してたのに。

 

でもよく考えてみたら、重大なアクシデントやダウン狙いで攻めるかポイントアウトで行くかっていう試合の局面を大きく左右する出来事や下した判断は覚えてて当然で、藤原さんの質問は試合を真上から見ているかの様な全体俯瞰の感覚があるのか?という質問だと思います。それは目の前の相手と戦う事への集中で、後から思い出せる類のものではないという事でしょうね。

カシメロ戦の戦略

 「カシメロ戦は初めてのラスベガスでの試合です。周りの期待をすごく感じますし、何を求められているかもわかります。それを分かりながら行かなくてはいけない。そこに対するプレッシャーはあります。時差もあるし、4月のラスベガスは乾燥してて日本と同じ様な減量できない事も考えてます」

「演劇の世界での海外遠征は、こんなスケジュールでよく行かせるなっていう時差ボケで芝居をさせられたり・・本番2日前に到着して翌日に通し稽古をやって、その翌日に本番をやらないといけない。それはけっこう大変でした」

 

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 「時差があったり強行スケジュールだったりすると・・藤原さんが普段、日本でやってるお芝居の表現の仕方ができない事とかあるんですか?」

 

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「それは問題ないです。海外遠征でやる舞台は日本で数ヵ月やって土台が出来上がったうえで海外公演という流れになるので、そこは大丈夫ですね。カシメロ戦・・を井上さんはどう戦うのか?もちろん言える範囲でかまいません」

 

「中盤から後半にかけて・・ジリジリと削っていきますよ」

 

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 「カシメロも1発のパンチ力を持ってる選手なので、前半を気をつけて戦っていく事。あとはどんな駆け引きをするかとかも勿論イメージしてます」

感想

海外公演だと普段のお芝居が出来ない事ってあります?と身を乗り出して質問するモンスターが印象的でした。

 

カシメロとどう戦うかについては他のメディアでも発言してる通り、前半の1発に注意してジリジリ削っていく方向性との事。賛成です!

 

カシメロにチャンス有り論を言う人の話では「井上が不用意な1発を貰うと危ない」そうなのですが・・ドネア戦の経験を経てバージョンアップ+且つカシメロのパンチに注意して前半を戦うと言っているのに、どうして不用意な1発を貰うのでしょうか。僕の予想は井上尚弥の6回1分12秒TKO勝ちです。具体的に試合展開を書いた幻観戦記はコチラ。

 

勝ち続けるという意思

「負けて強くなる事もあると思いますが、負けないに越したことはないと思ってます。大事なのは負けを恐れない事。負けを恐れていたら、強い相手が集まるところに飛び込んでいけませんから」

 

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 「やれるだけの事をやって挑んで、それで結果がついて来なければ相手が強かったという事ですから、その時は今まで以上に頑張れば良い。その過程と試合を見てくれたファンや関係者の人達は分かってくれると思うんです」

 

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「勝ち続ける大変さ。トップを走り続ける孤独と向き合っていく辛さもありますよね。そこに打ち勝っていけなければいけませんものね」

 

「そうですね・・」

 

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「勝てば勝つほど、終わりがないんです。

勝てば勝つほど期待も大きくなりますし、そこに打ち勝っていく精神面も大変ですけどゴールは35歳。自分のパフォーマンスが落ちてまでやりたいとは思わないので、35歳まであと8年。やると決めています」

 

「井上チャンピオン。藤原家はあなたを家族全員で応援しております!!」

 

「ありがとうございます^^」

まとめ総括

全体を通して感じたのは、この2人は波長が凄く合っているという事。おそらくとういうか当然というか、会う前からお互いを超リスペクトし合ってたのが映像から伝わりました。

 

モンスターが対談企画を受けるのは珍しい事です。著書の”勝ちスイッチ”にもハッキリとこう書かれています。「何か聞かれれば答えられるけど、他人に興味がないので対談方式になってしまうと自分から聞く事が頭に思い浮かばない。なのでテレビ局から誰か会いたい人がいれば対談企画をしたいのですが?と言われても失礼ながら断っています 」

 

 

この対談の中でも相手への質問回数は藤原さんからモンスターへの質問の方が多いとはいえ、ごくごく自然な形でそうなっています。2人のシンパシーが合っているのです。もし藤原さんが体調不良で元気がなかったらモンスターから沢山質問をしたかもしれません^^

 

お互いに対談の前に想像している井上尚弥像・藤原竜也像があったと思うのですが、対談を終えてそのイメージに差異があったのかどうかは聞いてみないと分かりません。ですが僕が感じたのは、きっとお互いに「この人やっぱり超絶ストイックだな」と思っているだろうなと。

 

口調はどちらかと言うと淡々としているのだけど、誰がどこからどう見ても圧倒的な結果を出して続けている2人。サラっと話した言葉を噛み砕いて想像してみると、そこに血の滲むような努力が垣間見える感じ。でもそれをあんまり出すに「結果が全て」というスタンスで結果を出すカッコ良さ。だから女性ファンだけじゃなく男性も彼らに惹かれるんだと思います。

 

トップボクサーとトップ俳優の本当に素晴らしいスペシャル対談でした。ちなみに放送を見た方はお気付きかと思いますが、この特番のナレーションを担当したのはこのお方。日本一ボクシングに詳しくボクシング愛ある女子アナ!増田美香アナです。

 

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増田アナのナレーションは美声で聞き取り易いのは勿論の事、「この特番のナレーションを担当出来て嬉しい!」という思いが溢れ出ている様でとても心地が良いものでした。

 

録画してある方は是非見返してみてください。きっと新たな発見があるであろう素晴らしい特番です。以上「井上尚弥・藤原竜也のスペシャル対談をボクヲタ目線で振り返る」でした!

 

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